こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。
株式市場は、常に上がり続けるわけでもなく、下がり続けるわけでもありません。背後には「景気サイクル」が存在し、好況・後退・不況・回復を繰り返しています。この流れを理解しているかどうかで、投資家としての立ち回り方は大きく変わります。
株式市場のサイクルと景気の関係
景気が拡大して企業の利益が増えれば株価は上昇しやすく、逆に景気が後退すれば企業業績が悪化し株価は下落しやすい。この循環が「株式市場のサイクル」です。
ただし、株式市場は景気に先行する傾向があり、「景気が悪いと感じているときには、株価はすでに底を打っている」ということもよくあります。
サイクルごとの投資戦略
サイクルを理解した上での投資戦略は以下のように整理できます。
- 回復期(景気が底から立ち上がる時期)
株価は上昇に転じやすく、リスク資産を増やす好機。 - 好況期(景気拡大がピークに近づく時期)
株価は上昇を続けるが、割高感も出やすい。利確やリスクヘッジを意識。 - 後退期(成長が鈍化し始める時期)
株価は下落しやすい。守りを固め、現金や債券の比率を高める戦略が有効。 - 不況期(景気が底に近づく時期)
悲観が強まるが、実は次の上昇に備えて仕込みのチャンスでもある。
長期投資で意識すべきこと
市場サイクルを正確に予測することは不可能です。だからこそ、
- ドルコスト平均法で継続投資をする
- リスク許容度に応じて資産配分を調整する
- 市場の上下に振り回されすぎない
といった基本戦略が力を発揮します。サイクルを“読もうとする”よりも、“仕組みを理解して心構えを持つ”ことが大切です。
最後に
株式市場のサイクルは避けられません。しかし、それを知っているだけで「不安が少し和らぐ」 「判断に余裕が持てる」ようになります。市場に飲み込まれるのではなく、波を受け止めながら長期的な航路を描くことが、投資家に求められる姿勢なのです。
今日も、あなたのお金との付き合い方が一歩前に進むことを願っています。