こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。
インデックス投資やETF投資が広がる中で、「海外資産」に投資する人が増えています。
特に米国株式や全世界株式インデックスを選ぶケースは定番ですが、そこで避けて通れないのが為替リスクです。
今日は「為替リスクをどう理解すべきか」という基本を整理してみましょう。
為替リスクとは?
海外資産を円で購入するときには、「通貨の交換」が必ず発生します。
たとえば米国株ならドル建て資産を円で買うことになるので、円とドルの為替レートが大きな影響を与えます。
- 円安になると:ドル建て資産の円換算額が増える(プラス要因)
- 円高になると:ドル建て資産の円換算額が減る(マイナス要因)
つまり、株式そのものの値動きに加えて、為替変動という“もう一つの変動要因”を受けることになるのです。
為替リスクの具体的な影響
- 短期的な値動きが大きくなる
株価が上がっても、円高でリターンが相殺されることがあります。逆に株価が下がっても、円安で損失が軽減される場合もあります。 - 長期では相関が薄れる傾向
長期的には株式の成長リターンが大きく、為替の上下動はそこまで大きな影響を与えないというデータもあります。
ただし投資期間が数年と短い場合は、為替の影響を強く受ける可能性があります。 - 為替ヘッジという選択肢
一部の投資信託やETFには「為替ヘッジ付き」が用意されています。
これを利用すれば為替変動の影響を抑えられますが、その分コスト(ヘッジコスト)が発生します。
投資家が考えるべきポイント
- 投資期間を意識する
長期投資であれば為替変動は一時的なノイズとして捉えやすいです。
一方、5年以内に取り崩す資金なら、為替リスクへの配慮が必要になります。 - ポートフォリオ全体でバランスを見る
日本円資産と海外資産をバランスよく持つことで、為替変動に対する耐性を高められます。 - ヘッジの使い分け
短期資金や安定性を重視した部分には「為替ヘッジあり」を活用し、長期成長を狙う部分は「ヘッジなし」にする、といった組み合わせも有効です。
為替リスクは「避けるもの」ではなく「理解するもの」
為替リスクを完全に排除することはできません。
大切なのは「自分の資産形成において、どの程度のリスクを許容するのか」を理解したうえで、海外資産を組み込むことです。
為替変動は不確実ですが、その不確実性もまた分散投資の一部として活かすことができます。
最後に
海外資産を持つことは、成長機会を広げる大きなメリットがあります。
同時に為替リスクを正しく理解し、自分に合った投資スタイルに取り入れることが、資産形成を続ける鍵となります。
今日の内容が、あなたの投資判断を一歩クリアにするヒントになれば幸いです。