【資産形成のジレンマ】生活防衛資金を増やすと投資効率は下がる?バランスの考え方

2025年9月19日

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芹沢慎一

こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。

投資をする際、多くの人が直面するジレンマがあります。
それは「生活防衛資金をどのくらい確保するか」と「投資に回すお金をどのくらいにするか」です。
生活防衛資金を厚くすれば安心感は増しますが、投資に回せる余力が減るため、資産の成長効率は下がる可能性があります。

今回は、生活防衛資金と投資のバランスについて考えてみましょう。

生活防衛資金の役割

生活防衛資金とは、突然の支出や収入減に備えて手元に置いておく現金です。
例えば、失業や病気、家電の故障など、生活に直結するリスクをカバーするために必要です。
一般的には、生活費の3~6か月分を目安に準備すると安心と言われます。

生活防衛資金を増やすと投資効率は下がる理由

  • 投資に回せる資金が減るため、長期的な複利効果が小さくなる
  • 株式や投資信託で得られるリターンを取り逃す可能性がある

例えば、毎月の投資額が10万円の人が、生活防衛資金を増やすために5万円しか投資できなくなると、長期的な資産増加スピードは半分に近くなることもあります。

バランスを取る考え方

  1. 最低限の生活防衛資金を確保
    生活費の3か月分は手元に置くのが一般的。
    これだけあれば、緊急時にも焦らず対応できます。
  2. 余裕資金は積極的に投資
    生活費3か月分を超えた余裕資金は、複利効果を活かすために投資に回す。
  3. 心理的負担を減らす
    資産配分は、数字だけでなく「心の安心」も考慮して決めることが重要です。
    安心感があると、暴落時も焦らず投資を続けやすくなります。

安心と効率の両立が重要

生活防衛資金は、資産形成の安全弁として不可欠です。
一方で、必要以上に現金を積み上げると、投資効率は下がってしまいます。
自分の生活リスクや心理的安心感と投資効率のバランスを考え、最適な比率を見つけることが資産形成の鍵です。

最後に

生活防衛資金は「安心のための盾」、投資は「資産を育てる武器」と考えるとわかりやすいでしょう。
両方のバランスを意識することで、安心感を保ちながら効率的に資産を増やすことができます。

それでは!