【FIREのリアル】FIREを目指すMさんが考えた“セミリタイアの現実”

2025年9月18日

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芹沢慎一

こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。

最近、「早期リタイア(FIRE)」を目指す人が増えています。
夢のセミリタイア生活ですが、実際に準備を始めると、想像以上に考えるべきことが多いことに気づきます。
今回はMさん(30代・会社員)のケースをもとに、FIREを現実的に考えるポイントを整理してみましょう。

Mさんの状況

  • 年齢:35歳
  • 職業:会社員
  • 年収:600万円
  • 貯蓄・投資:投資信託・個別株で約1,500万円
  • 目標:45歳でセミリタイア(FIRE)

Mさんは、毎月の積立投資を続けつつ、副業や節約も並行して行い、FIREを目指していました。
しかし、具体的にシミュレーションを行うと、いくつかの現実的な課題が見えてきました。

Mさんが直面した“セミリタイアの現実”

① 想定生活費と資産のバランス

セミリタイア後の生活費を月20万円と想定していたものの、医療費や住宅修繕費、インフレによる生活費増加を加味すると、必要資金は想定以上。
計画通りに資産を取り崩せるか不安が残りました。

② 投資リスク

資産の大半を株式で運用していたため、市場下落時の取り崩しリスクが高く、精神的ストレスが大きいことに気づきました。

③ 社会との接点

「働かなくても生活できる」という理想はありますが、人との交流や生きがいの面で不安があることも分かりました。
経済的自由だけでなく、生活全体のバランスを考える必要があります。

Mさんが実践した対策

① リスク資産と安全資産の分離

生活費用は現金・債券など安全資産で確保し、株式投資は余裕資金として運用。
市場変動の影響を最小化しました。

② リアルな生活費シミュレーション

インフレや医療費、予備費を含めた長期シナリオを作成。
必要資産や取り崩しペースを明確化しました。

③ 小規模からのセミリタイア

フルリタイアではなく、パートタイムや副業で収入を得ながら生活する形に調整。
精神的負担を減らしつつ、経済的自由を確保しました。

FIREは夢だが現実も見極める

Mさんのケースからわかるのは、FIREを目指すには資産だけでなく、生活設計やリスク管理も重要だということです。
理想だけでなく、現実的な準備を行うことで、セミリタイア生活はより安心で実現可能なものになります。

最後に

FIREは単なる「働かない生活」ではなく、自分の資産・生活・価値観を総合的にデザインする挑戦です。
無理のない計画とリスク管理を意識して、自分らしいセミリタイアを目指しましょう。