【海外投資の落とし穴】海外ETFを購入したKさんが直面した税金の壁

2025年9月17日

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芹沢慎一

こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。

海外ETFは、分散投資や為替メリットなどの理由で人気があります。しかし、海外ETFならではの「税金ルール」を理解していないと、思わぬ負担に直面することがあります。
今回はKさん(30代・会社員)の事例を通して、海外ETF投資で注意すべき税金ポイントを解説します。

Kさんの状況

  • 投資目的:長期資産形成
  • 投資額:海外ETF 100万円分
  • 投資先:米国株式中心のETF
  • 投資スタイル:配当再投資

当初、Kさんは「配当は自動で再投資されるから手間なし」と安心していました。
しかし、税金の扱いを確認していなかったため、後から思わぬ負担に気づきました。

海外ETFの税金の壁

① 配当課税(米国源泉徴収)

米国株ETFの配当には米国で10%の源泉徴収税がかかります。
さらに日本でも課税されるため、二重課税の仕組みを理解していないと、実際に受け取れる配当は想定より少なくなります。

② 為替差益の課税

円安・円高によって、売却時の利益に対しても課税が発生。
為替変動による利益が想定以上に増減することがあり、税金計算も複雑です。

③ 確定申告の必要性

日本の確定申告で外国税額控除を適用しないと、二重課税の負担がそのまま残ります。
これに気づかず放置すると、税金で資産を減らす結果になりかねません。

Kさんが取った対策

  1. 外国税額控除を利用
    米国で源泉徴収された税金を日本の確定申告で控除することで、二重課税を回避。
  2. ETF売却のタイミングを調整
    為替や株価変動を考慮して、売却タイミングを慎重に設定。
  3. 配当は課税口座で管理
    課税のタイミングを把握することで、思わぬ課税を避け、資金計画を立てやすくしました。

海外ETFは便利だが税金理解が必須

Kさんのケースから分かるのは、海外ETFは便利な投資商品である一方、税金ルールを理解していないと利益を減らすリスクがあるということです。
購入前に、源泉徴収税・確定申告・為替リスクをしっかり把握しておくことが大切です。

最後に

海外ETFは、資産分散や長期投資の強力な手段ですが、税金ルールを理解して初めて安心して運用できます。
購入前に仕組みを確認し、適切な管理を行うことで、思わぬ税負担を避けることができます。

それではみなさんまた次回。 #慎一のマネー講座 もぜひ。