【資産運用の落とし穴】高配当株に偏ったIさんのポートフォリオ、本当に安定なのか?

2025年9月16日

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芹沢慎一

こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。

高配当株は「安定的な配当収入」が魅力ですが、ポートフォリオを偏らせすぎると思わぬリスクが生じます。
今回はIさん(40代・会社員)の事例をもとに、高配当株偏重の投資の注意点を整理してみましょう。

Iさんのケース — 高配当株に集中投資

Iさんは安定した配当を得るため、ポートフォリオの70%を高配当株に集中。
残りは現金や一部の投資信託に分散していました。

最初の数年間は配当収入が順調で、心理的にも「安定している」と感じていました。
しかし、その後株価が大幅に下落した局面で、資産全体の評価額も大きく減少。

高配当株偏重のリスク

  1. 株価下落の影響が大きい
    配当は受け取れるものの、株価が下がれば資産全体の価値は減ります。
    特に偏ったポートフォリオでは、下落時の損失が大きくなるのです。
  2. 業種リスクが集中する
    高配当株は銀行や電力、通信など特定の業種に偏る傾向があります。
    その業界で不祥事や業績悪化が起きると、影響がポートフォリオ全体に及びます。
  3. 再投資効率の低下
    配当を再投資する場合も、株価下落時には追加購入が難しくなることがあります。

Iさんが実践した改善策

① 分散投資を徹底

高配当株だけでなく、インデックスファンドや債券も組み込み、リスクを分散しました。

② 配当再投資のルール化

配当は受け取ったら、定期的に積立投信や低リスク資産に回すことで、資産全体のバランスを維持。

③ 定期的なリバランス

年1回、資産配分をチェックし、株式比率が偏りすぎないよう調整。

「安定」には見えないリスクがある

Iさんのケースから分かるのは、「配当がある=安定」ではないということです。
資産全体の安定性を保つには、分散投資と定期的なリバランスが不可欠。

最後に

高配当株は魅力的ですが、偏った投資は思わぬ損失を招くことがあります。
配当収入だけに頼らず、資産全体のバランスを意識して運用することが、長期で安心できる資産形成の秘訣です。

それでは、このブログを読んでくださった方に感謝を込めて。また次回お会いしましょう。