こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。
高配当株は「安定的な配当収入」が魅力ですが、ポートフォリオを偏らせすぎると思わぬリスクが生じます。
今回はIさん(40代・会社員)の事例をもとに、高配当株偏重の投資の注意点を整理してみましょう。
Iさんのケース — 高配当株に集中投資
Iさんは安定した配当を得るため、ポートフォリオの70%を高配当株に集中。
残りは現金や一部の投資信託に分散していました。
最初の数年間は配当収入が順調で、心理的にも「安定している」と感じていました。
しかし、その後株価が大幅に下落した局面で、資産全体の評価額も大きく減少。
高配当株偏重のリスク
- 株価下落の影響が大きい
配当は受け取れるものの、株価が下がれば資産全体の価値は減ります。
特に偏ったポートフォリオでは、下落時の損失が大きくなるのです。 - 業種リスクが集中する
高配当株は銀行や電力、通信など特定の業種に偏る傾向があります。
その業界で不祥事や業績悪化が起きると、影響がポートフォリオ全体に及びます。 - 再投資効率の低下
配当を再投資する場合も、株価下落時には追加購入が難しくなることがあります。
Iさんが実践した改善策
① 分散投資を徹底
高配当株だけでなく、インデックスファンドや債券も組み込み、リスクを分散しました。
② 配当再投資のルール化
配当は受け取ったら、定期的に積立投信や低リスク資産に回すことで、資産全体のバランスを維持。
③ 定期的なリバランス
年1回、資産配分をチェックし、株式比率が偏りすぎないよう調整。
「安定」には見えないリスクがある
Iさんのケースから分かるのは、「配当がある=安定」ではないということです。
資産全体の安定性を保つには、分散投資と定期的なリバランスが不可欠。
最後に
高配当株は魅力的ですが、偏った投資は思わぬ損失を招くことがあります。
配当収入だけに頼らず、資産全体のバランスを意識して運用することが、長期で安心できる資産形成の秘訣です。
それでは、このブログを読んでくださった方に感謝を込めて。また次回お会いしましょう。