こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。
資産形成において「リバランス」は非常に大事ですが、つい後回しにしがちな方も多いものです。
今日はFさん(40代・会社員)のケースを通して、リバランスを怠った結果、資産配分が株一極に偏ってしまったリスクについて考えてみましょう。
Fさんのケース —— 株式比率が過剰に
Fさんは、長期的な資産形成のために、以下のようなポートフォリオで運用を始めました。
- 国内株式:40%
- 米国株式:30%
- 債券:30%
当初はバランスもよく、安定した資産形成を目指していました。
しかし数年後、株式市場が好調だったこともあり、株式の比率が全体の70%近くに膨れ上がってしまいました。
株一極のリスク
その後、市場が調整局面に入ると、株式中心のFさんの資産は大きく減少。
数カ月で含み損が20%近く膨らみ、心理的にもかなりの負担となりました。
リバランスを怠ることで、当初の「リスクを分散した安全な運用」という目的が崩れ、一時的な利益に安心していたツケが回ってきたのです。
リバランスの重要性
リバランスとは、資産配分が当初の目標からずれた場合に、元のバランスに戻す作業です。
- 株高で株式比率が増えた場合 → 一部売却して債券や現金に振り分ける
- 株安で株式比率が減った場合 → 株式を買い増してバランスを戻す
これにより、リスクをコントロールしつつ長期で安定的に資産を増やせるのです。
実践的なリバランス方法
① 年1回、資産配分をチェック
目安として年に1回、資産配分を確認しましょう。
市場環境に関係なく、決まったタイミングで行うのが心理的にもやりやすいです。
② 許容範囲を設定
「株式±5%以内」など、許容範囲を決めておくと、頻繁な調整を避けられます。
③ 自動リバランス型の投信も活用
一部の投資信託には自動リバランス機能がついており、手間をかけずに安定運用が可能です。
最後に
Fさんの事例は、長期投資でも「放置すれば偏る」という現実を教えてくれます。
リバランスは地味ですが、資産を守るための重要な習慣。
定期的にチェックし、無理なく調整していくことが安心な資産形成につながります。