こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。
「積立NISAでコツコツ資産を作れば、老後は安心」とよく言われますが、本当にそれだけで十分なのでしょうか?
今日はEさん(30代・会社員)のケースをもとに、現実的なシミュレーションを通して考えてみましょう。
Eさんの条件
- 年齢:35歳
- 退職希望年齢:65歳
- つみたてNISA:毎月3万円、年間36万円、利回り5%で積立
- 退職時の生活費想定:年間300万円(年金+自己資金で補う想定)
- 老後期間:20年間(65~85歳)
シミュレーションの結果
積立NISAだけで作れる金額
単純計算すると、35歳から65歳までの30年間で毎月3万円積み立て、年利5%で運用した場合、約2,050万円になります。
老後に必要な生活費との比較
65歳から85歳までの20年間で年間300万円必要だとすると、合計で6,000万円。
積立NISAだけでは、どうしても不足します。
足りない分を補う方法
Eさんのシミュレーションから見えてくるのは、「積立NISAだけでは老後資金は足りない可能性がある」という現実です。
では、どう補えばよいのでしょうか?
① iDeCoで上乗せ
iDeCoは節税効果もあり、積立NISAと併用すると長期的な資産形成力が高まります。
- 毎月2万円をiDeCoで積立
- 年利5%で30年間運用
- 老後資金にさらに約1,360万円上乗せ
② 生活費の見直し・退職金の活用
生活費の一部を見直したり、退職金を投資に回すことで、老後の不足分を補うことも可能です。
Eさんが学んだこと
- 積立NISAは長期投資の強力な手段だが、単独では生活費全額を賄うのは難しい
- iDeCoなど他の制度と併用することで資産形成力が上がる
- 目標金額を逆算して、積立額や運用方針を調整することが重要
最後に
積立NISAは「老後資金作りの土台」として非常に有効ですが、安心して老後を迎えるためには、他の制度や生活設計と組み合わせることが大切です。
数字だけでなく、自分にとっての「心のゆとり」も含めて計画を立てましょう。
それでは、このブログを読んでくださった方に感謝を込めて。