こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。
家計相談の場面でよくあるのが「保険料が家計を圧迫している」というケースです。
特に、社会人になってすぐに加入した保険を見直さずに払い続けている人は要注意。
今日は、実際に相談を受けたCさん(40代・会社員)のケースを紹介しながら、保険見直しの効果と考え方を整理してみましょう。
Cさんの家計 —— 保険料が“固定費のブラックボックス”に
Cさんは夫婦と子ども2人の4人暮らし。
家計の収支は赤字ではなかったものの、なかなか貯蓄が増えないことが悩みでした。
詳しく見てみると、保険料だけで月4万円以上を支払っていました。
内容を確認すると、以下のような典型的な“過剰加入”の状態でした。
- 医療保険が夫婦それぞれで手厚く二重に加入
- 学資保険と外貨建て保険を併用している
- 収入保障保険の金額が過大
Cさん自身、「保険は大事だと思っていたけれど、何にどれだけ入っているのかよくわかっていなかった」とのこと。
見直しのポイント —— 必要・不要を仕分ける
① 公的保障を前提に考える
日本の健康保険制度は高額療養費制度があり、医療費の自己負担には上限があります。
そのため、過度な医療保険は削減対象にしました。
② 教育資金は「貯蓄」で準備
学資保険は返戻率が低く、途中解約もしにくいため、代わりに積立NISAを活用する形に変更。
将来の教育資金準備に柔軟性を持たせました。
③ 万が一に備える保険は「最小限」
収入保障保険は、万が一のときに必要な生活費を計算し直し、半分以下の保障額に縮小。
生命保険は掛け捨てのシンプルな定期保険に切り替えました。
結果 —— 年間15万円の固定費削減
これらを見直した結果、Cさんの家計は月1.2万円、年間15万円の負担減につながりました。
しかも削ったのは“不要な保障”だけなので、リスクに対する備えは十分に残っています。
浮いたお金は、積立NISAと家族旅行の積立に回すことに。
「お金がただ出ていく」感覚から、「未来に向けて貯めていける」という安心感が得られたとCさんは話してくれました。
保険見直しのチェックリスト
- 自分が加入している保険をすべて把握できているか?
- 公的保障(健康保険・遺族年金など)を前提に考えているか?
- 本当に必要な保障額を試算しているか?
- “貯蓄性保険”に偏っていないか?
一度でも見直すと、毎月の固定費がスリムになり、将来の安心感が増します。
最後に
Cさんのように「保険を整理するだけで家計が一気に楽になる」ことは珍しくありません。
保険は“守りのお金”ですが、過剰になると逆に家計の重荷になります。
ぜひ一度、ご自身の保険を棚卸してみてください。
ではまた、コーヒー片手にゆるりと語り合いましょうね。