【投資信託の基礎力】投資信託の銘柄選びで迷わなくなる“チェックリスト”

2025年9月11日

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芹沢慎一

こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。

投資信託は「プロが運用してくれる商品」という安心感がありますが、その一方で、数千本もの銘柄が存在し、初心者だけでなく中級者でも「どれを選んでいいか分からない」と悩む方は少なくありません。

そこで今回は、投資信託の銘柄選びで迷わなくなるための“チェックリスト”を紹介します。これを軸に考えることで、不要な迷いを減らし、自分に合った投資信託を選べるようになるはずです。

投資目的と期間を明確にする

投資信託を選ぶ前に必ず考えるべきは「何のために」 「いつまで投資するか」という点です。

  • 老後資金 → 20年以上の長期運用が前提
  • 教育費 → 5〜15年程度の中期運用
  • 資産の一部運用 → 3〜5年の比較的短期

目的と期間によって、選ぶべきリスク水準や商品タイプが変わります。まずはここを整理しましょう。

信託報酬(コスト)は適正か

投資信託には「信託報酬」という運用管理コストが必ずかかります。
長期運用では、この差が大きなリターン格差につながります。

  • インデックスファンド:年0.1〜0.2%程度が目安
  • アクティブファンド:年1%前後(リターンとのバランスで判断)

「同じカテゴリーなら、より低コストなもの」を基本に選びましょう。

投資対象(資産クラス・地域)を確認

投資信託の中身は、株式、債券、不動産などさまざまです。

  • 先進国株式 → 成長と安定のバランス
  • 新興国株式 → 高成長だがリスクも大
  • 債券型 → 価格変動は小さいがリターンも低め

自分のリスク許容度に合わせ、どの資産クラス・どの地域を対象にした商品かを確認しましょう。

純資産総額と資金流入の動向

投資信託は「人気があるか」 「資金が集まっているか」も重要なチェックポイントです。
純資産総額が小さすぎると、運用終了(繰上償還)のリスクもあります。

  • 目安:純資産総額100億円以上
  • 資金流入が安定しているファンドは安心感がある

規模と流動性は、長期保有において信頼性を支える要素です。

投資方針とベンチマークの透明性

信託の運用方針は「運用報告書」や「目論見書」に明記されています。
チェックすべきは以下の点です。

  • どの指数をベンチマークにしているか
  • どんな銘柄に、どんな比率で投資しているか
  • 方針が分かりやすく、一貫しているか

不透明な商品は避けるのが無難です。

過去の運用実績(ただし“未来の保証”ではない)

最後に参考になるのは、ファンドの運用実績です。
ただし、過去の成績は将来のリターンを保証するものではありません。

見るべきは「一貫した運用成果が出ているか」 「ベンチマークに対してどうか」。
短期の上下ではなく、3年・5年・10年といった長期で評価しましょう。

迷わないための“6つのチェックリスト”

投資信託の銘柄選びに迷わなくなるためには、次の6点をチェックする習慣を持つことです。

  1. 投資目的と期間を明確にする
  2. 信託報酬(コスト)は適正か
  3. 投資対象(資産クラス・地域)を確認
  4. 純資産総額と資金流入の動向
  5. 投資方針とベンチマークの透明性
  6. 過去の運用実績を長期で確認

これを整理すれば、選択肢をかなり絞り込むことができ、迷いに振り回されなくなります。

最後に

投資信託選びは「正解を当てること」ではなく、「納得できる基準を持つこと」が大切です。
チェックリストを活用して、自分に合った一本を見つけてください。

それでは、このブログを読んでくださった方に感謝を込めて。
また次の記事でお会いしましょう。