【ライフプラン投資】ライフイベント別に見る投資戦略の微調整ポイント

2025年9月11日

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芹沢慎一

こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。

投資は「長期・分散・積立」が基本ですが、人生は常に変化し続けます。
結婚、住宅購入、出産、教育費、そしてリタイア。これら大きなライフイベントに合わせて投資戦略を微調整していくことが、安心して資産形成を続けるカギとなります。

今日は、ライフイベントごとにどんな視点で投資戦略を見直すべきかを整理していきましょう。

結婚・共働き期 —— 家計の統合とリスク許容度の見直し

独身時代に比べ、結婚すれば家計は“二人分”になります。
生活費や収入の安定性が増す一方、将来の支出も大きくなるため、投資の目的やリスク許容度を夫婦で共有することが大切です。

  • 家計を合算して「投資に回せる余剰資金」を再計算
  • 保険や緊急資金を整えたうえで投資割合を決定
  • 投資目標を夫婦で一致させる

この段階で“話し合い”を持つことが、後々の投資トラブルを防ぎます。

住宅購入期 —— 流動性の確保を優先

住宅購入は人生で最も大きな支出のひとつです。頭金や諸費用を準備する時期には、短期的に使う予定の資金を投資に回さないことが鉄則です。

  • 頭金に使う分は安全性の高い預金や短期債で確保
  • 投資は「住宅資金とは別のお金」で継続
  • ローン返済と投資のバランスを確認

住宅ローンを抱える時期は、心理的な安心感を重視して投資戦略を調整しましょう。

子育て・教育費期 —— 積立投資と安全資産の組み合わせ

子どもの教育費は、数百万円から1,000万円を超える大きな支出です。
ここで重要なのは、資金が必要になる時期が決まっているという点です。

  • 10年以上先に必要なお金 → 積立投資で成長を狙う
  • 5年以内に必要なお金 → 安全資産で確保
  • NISAや学資代替の投資信託を計画的に活用

「いつ使うお金なのか」を基準に、投資と貯蓄を切り分けることがポイントです。

リタイア準備期 —— リスク資産から守りの資産へ

50代以降は“取り崩しを見据える”時期です。
ここで求められるのは、資産全体のボラティリティ(変動幅)を抑えること

  • 株式比率を徐々に下げ、債券・現金を増やす
  • 取り崩しシミュレーションを行い、収支を確認
  • 「長生きリスク」に備えて一部は成長資産を継続

リスクをゼロにする必要はありませんが、守りを意識した再配分が大切です。

最後に

投資は「長期で続けること」が成功の近道ですが、ライフイベントごとに必要なお金の性質やタイミングは変わります。

  • 結婚 → 家計統合とリスク許容度の共有
  • 住宅購入 → 流動性を優先
  • 教育費 → 時期に合わせた投資と安全資産の組み合わせ
  • リタイア準備 → 守りを重視したリバランス

こうした微調整を重ねることで、人生の変化に寄り添う投資戦略が築けます。

投資戦略は“一度決めたら終わり”ではありません。
人生の節目に合わせて柔軟に調整することこそ、資産形成を長く続けるための秘訣です。