【積立のゴール】つみたてNISAで積み上げたお金を、何に使う?“出口戦略”のリアル

2025年8月26日

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芹沢慎一

こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。

「つみたてNISAで積み立てているけれど、実際に取り崩すときはどうするの?」
セミナーでもよくいただく質問です。

投資を始めるときは「どう増やすか」に意識が集中しますが、実は同じくらい大事なのが“出口戦略”。
つまり、せっかく積み上げたお金を「いつ・どう使うか」という設計です。

今日は、つみたてNISAの出口戦略についてリアルに考えてみましょう。

つみたてNISAは“積み上げゲーム”で終わらない

非課税で20年という長期にわたり投資できるのがつみたてNISAの魅力。
しかし「積み立てて終わり」では本当にもったいない。

例えば、

  • 教育資金の一部
  • 住宅ローン繰り上げ返済
  • 老後の生活費補填
  • セカンドライフの趣味や旅行

こうした未来の支出を見据えて“取り崩し方”を考えておくと、投資が単なる「数字の積み上げ」から「人生を支える道具」に変わります。

出口戦略の代表的な3つの考え方

① まとまった支出に合わせて使う

子どもの大学費用や住宅ローン返済など、数百万円単位で必要になる場面があります。
この場合は「目標の時期から逆算」してリスク資産を少しずつ売却し、現金化しておくのがポイントです。

② 老後資金として定期的に取り崩す

リタイア後の生活費の一部として、つみたてNISAを“年金の補完”に使う方法。
例えば「毎年◯%を取り崩す」というルールを決めれば、資産を守りながら安定したキャッシュフローを作れます。

③ 趣味や自己投資に回す

必ずしも生活費だけに縛られる必要はありません。
「旅行資金」 「新しい学び」 「ライフイベントのご褒美」などに使うのも立派な戦略。
自分や家族の人生を豊かにする使い方は、精神的な満足度も高いものです。

注意したいポイント

出口戦略を考えるときに押さえておきたいのは、

  • 相場のタイミングに振り回されない(必要な分を計画的に現金化)
  • 税制の違いを理解する(NISA枠で売却すれば利益非課税)
  • 生活防衛資金は別に確保しておく(投資分を全額頼らない)

これらを意識すれば「慌てて売らざるを得ない」という事態を避けられます。

最後に

つみたてNISAは「積み立てている時間」も大切ですが、ゴールの形を描いてこそ本領を発揮します。

  • 教育資金や住宅資金の一部に
  • 老後の生活費の補完に
  • 趣味や学びの自己投資に

どんな未来にお金を流すかは、人それぞれ。
大切なのは「お金を数字で終わらせず、人生の選択肢に変える」ことです。

投資の出口を考えると、将来の自分が少し近くに感じられます。
積み上げた資産を、あなたはどんな未来に使いますか?

それではまた次回、お会いしましょう!