【老後不安】老後資金2000万円問題は本当か? 最新データから検証してみた

2025年8月23日

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芹沢慎一

こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。

数年前に話題となった「老後2000万円問題」。
金融庁の報告書をきっかけに、老後資金への不安が一気に広がりました。
けれど実際のところ、本当に2000万円が必要なのか?
今回は最新データをもとに、冷静に整理してみたいと思います。

老後にかかる生活費の実態

総務省の家計調査(高齢夫婦世帯)によれば、平均的な支出は「月約26万円」。
一方で年金収入の平均は「月約21万円」。
単純計算すると、毎月5万円程度の不足が生じる計算です。

これを30年間続けると、5万円×12か月×30年=1,800万円。
つまり、2000万円という数字は、統計上は確かに“あり得る不足額”といえるのです。

ただし「平均」はあなたの家庭と違う

注意すべきは、この数字があくまで“平均”ということ。
・持ち家か賃貸か
・医療費がどの程度かかるか
・旅行や趣味にどれだけ使うか
これらによって、実際の不足額は大きく変わります。

実際に「年金だけで十分暮らせている」という世帯もあれば、「退職後も働いて補填している」という世帯も存在します。

最新トレンド:老後資金は“働き方”で変わる

最近は「定年後も週に数日働く」ことが一般化しつつあります。
月5万円〜10万円でも収入があれば、不足額はほとんど解消されるケースも。

また、iDeCoやNISAを活用すれば、現役時代に積み上げた資産を“取り崩す”形で補えるため、2000万円が絶対条件ではなくなってきています。

最後に

「2000万円必要」という数字は、あくまで平均モデルの一例。
大切なのは「わが家の老後はいくら必要か」を、自分の生活スタイルから逆算して考えることです。

不安を煽る見出しに振り回されるのではなく、数字を自分ごとに落とし込んでみましょう。
そうすれば“漠然とした不安”は“具体的な計画”に変わります。

お金の計算は、未来を縛るためではなく、安心を積み上げるためのもの。
その安心感が、日々の自由につながっていくと私は信じています。