こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。
ボーナスを手にすると、「せっかくだから投資に回そう」と考える方も多いでしょう。
資産形成を意識する姿勢はとても素晴らしいことですし、将来の安心につながります。
ただし、投資はあくまで「余裕資金」で行うのが原則。
本来なら生活や人生の安定に充てるべきお金を投資に突っ込んでしまうと、ちょっとしたアクシデントで家計が苦しくなり、結局は投資を途中で解約せざるを得なくなるケースも少なくありません。
そこで今日は、投資に進む前に必ず押さえておきたい「3つの優先順位」を整理してみます。
これを踏まえておくだけで、投資をもっと安心して長く続けることができますよ。
生活防衛資金を確保する
まず最初に考えるべきは“守り”です。
人は誰しも、予期せぬ出費に直面するもの。病気やケガによる急な入院、会社の業績悪化による収入減、あるいは家の修繕や家電の故障……こうした事態は必ずと言っていいほどやってきます。
そこで必要なのが 生活防衛資金。
目安は「生活費の3〜6か月分」をすぐに引き出せる形で確保しておくこと。
普通預金や流動性の高い定期預金に置いておけば安心です。
投資をする前に、まずは「何があっても暮らしは回る」という安心感を確保しておきましょう。
高金利の借金を返す
次に考えたいのが借金です。
特に金利が高いクレジットカードのリボ払いや消費者金融の借入は、投資よりも優先して返済すべき対象です。
たとえば、リボ払いで年15%の金利を支払っているのに、投資で年5%の利益を狙っても差し引きはマイナス。
いくら投資がうまくいっても、高金利の借金がある限りお金は流れ出していきます。
「借金返済=確実な投資効果」と考えるとわかりやすいですね。
ボーナスを投資に回す前に、まずは金利負担を減らして家計の土台をスッキリさせましょう。
人生の近いイベント資金を準備
最後に考えたいのが、1〜3年以内に予定されている大きな支出です。
結婚、出産、引っ越し、車の購入、子どもの入学……人生の節目には、まとまったお金が必要になります。
こうしたお金を投資に回してしまうと、必要なときに相場が下がっていて「元本割れの状態で引き出さざるを得ない」というリスクが生じます。
これでは投資の本来のメリットを活かせません。
「近い将来に使うお金は投資に回さない」
このルールを徹底するだけで、投資はぐっとストレスの少ないものになります。
最後に
投資は将来の資産形成に欠かせませんが、それは「生活の基盤」がしっかりしているからこそ。
ボーナスの使い道を考えるときは、
- 生活防衛資金の確保
- 高金利の借金返済
- 近い将来に必要な資金の準備
この3つを優先した上で、余裕がある分を投資に振り向けるのが王道です。
ボーナスの使い方ひとつで、今後の家計の安定感は大きく変わります。
小さな気づきが未来の大きな安心につながります。それではまた!