【教育資金の真実】 学資保険よりiDeCo?最新シミュレーションで比べてみた

2025年8月21日

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芹沢慎一

こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。

教育費は「人生三大資金」のひとつ。
特に大学進学のタイミングで、まとまったお金が必要になります。

セミナーでもよくいただくのが、
「学資保険とiDeCo、どっちがいいですか?」という質問。

今回は、最新のシミュレーションを使って比較してみましょう。

学資保険:安定感はあるけれど…

学資保険は、親が毎月保険料を払い込み、子どもの入学時期に合わせて祝い金や満期金を受け取れる商品。

  • メリット:強制的に貯められる、万一の場合の保障付き
  • デメリット:返戻率は100〜105%程度で、大きくは増えない

例えば、月2万円を18年間積み立てた場合、総支払額432万円に対して満期金は約450万円。
利回りは年0.3〜0.5%程度 にとどまります。

iDeCo:税制メリットが強力

一方、iDeCo(個人型確定拠出年金)は、掛金が全額所得控除になるため、節税効果が抜群。

  • メリット:掛金が非課税、運用益も非課税
  • デメリット:原則60歳まで引き出せない

例えば、同じく月2万円を18年間、年3%で運用できた場合。
積立額432万円が 約600万円 に成長する可能性があります。
さらに、毎年の所得税・住民税が軽くなるため、実質利回りは学資保険の数倍

シミュレーションの結果

  • 学資保険:450万円前後
  • iDeCo(年3%運用想定):600万円+節税メリット

数字だけを見ると、iDeCoが圧倒的。
ただし、教育費に必要なのは「子どもが18歳のとき」。
iDeCoは60歳まで引き出せないため、教育費そのものには使えない という大きな制約があります。

まとめ:教育資金と老後資金を分けて考える

結論から言うと、

  • 教育資金 → 学資保険や積立預金で確実に準備
  • 老後資金 → iDeCoで節税メリットを享受

と分けて考えるのが現実的です。

ただし、教育費を「奨学金+貯金の一部」でカバーできる見込みがあるなら、iDeCoに比重を寄せて老後資金を厚くしておくのも選択肢。

教育資金と老後資金はどちらも「未来のお金」。
両方を視野に入れて、自分の家庭に合ったバランスを探すのが大切です。

最後に

教育資金の準備方法ひとつで、家計の安心感は大きく変わります。
数字以上に大切なのは、自分の心がどれだけ軽くなったか。その自由感を、これからも大事に育てていきたいと思います。

それではまた次回お会いしましょう。