こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。
私たちは普段、「今」の生活を中心にお金を考えがちです。
家賃や食費、教育費、趣味にかけるお金……すべては“いま”を生きるための出費です。
でも、投資や積立の本質を突き詰めると、それは“未来の自分に仕送りをしている行為”に近いのではないか。そんなふうに思うことがあります。
“未来の自分”も、他人のような存在
考えてみれば、10年後や20年後の自分は、いまの自分からすれば「顔も知らない誰か」に近い存在です。
未来の自分は、年齢を重ね、環境も変わり、今とは違う価値観を持っているでしょう。
そんな“まだ会ったことのない誰か”に、毎月少しずつ仕送りをするようにお金を送っておく。
積立投資は、そんな心のあり方で取り組むと、不思議と「やらされ感」ではなく「贈り物感覚」に変わってきます。
「時間」という共通通貨
現代哲学の言葉に「お金は時間を交換する道具だ」という考え方があります。
働く時間をお金に替え、そしてお金を使って時間を買い戻す。
積立もまた、“今の時間”を“未来の時間”に交換している営みです。
「未来の自分が自由に使える時間を少し増やしてやる」
そんな解釈を加えると、積立は単なる数字のやり取りではなく、“人生の時間配分”そのものに関わる行為だと実感できるのです。
最後に
未来の自分に仕送りをする。
それは「自分が自分を大切にする」行為であり、同時に「まだ出会っていない自分への思いやり」でもあります。
投資や積立を数字やリターンだけで捉えると、どうしても味気なく感じる瞬間があります。
そんなときはぜひ、“未来の自分に送る仕送り”だと思ってみてください。
いま手元から消えていくお金が、20年後の自分を温かく支えてくれる。
そのイメージこそが、長く積立を続けるうえで最大の力になると、私は感じています。
それでは今回はこの辺で。