こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。
今日は、私が金融相談の現場で出会ったある方のケースをご紹介します。
テーマは—— 副業は「お金の保険」になるのか? です。
40代会社員・Aさんの相談
Aさんは大手メーカー勤務の40代男性。
堅実な性格で、家計簿も几帳面につけるタイプです。
ただ最近、会社の業績低下や人員整理のニュースを目にするたびに、
「自分の給与一本に頼って大丈夫だろうか」という不安を感じるようになりました。
副業という選択肢
Aさんが始めたのは、週末にできる ライティングの副業。
きっかけは「趣味で続けてきた読書の感想を文章にまとめるのが得意」だったこと。
始めは月1万円程度の収入でしたが、半年後には 月3〜5万円 程度の安定した副収入になっていました。
「副業=保険」としての効果
ここで重要なのは、収入額そのものよりも 心理的な安心感 です。
- 本業収入が減っても「副業収入がある」と思える
- もし失業しても「ゼロにはならない」という自信につながる
- 将来的に「副業を本業にする」という選択肢も生まれる
まさに副業は、「お金の保険」 のような働きを持つのです。
保険との違い
通常の保険は「万一の時に備えるもの」ですが、
副業は「万一の前から機能している保険」といえます。
- 保険 → 万一のリスクにお金で備える
- 副業 → リスクに直面する前から“収入の多角化”で備える
つまり、「使える形で積み立てていく保険」 が副業なのです。
慎一のアドバイス
Aさんには、こうお伝えしました。
- 「副業は保険と同じで“継続性”が大切」
- 「生活費の1〜2割をカバーできる副収入を目安にすると安心」
- 「本業に支障が出ない範囲で“無理なく楽しく”続ける」
結果としてAさんは、副業を「生活防衛資金の延長」として位置づけ、
家計にも気持ちにも余裕を持てるようになりました。
最後に
副業は単なる「収入アップ手段」ではなく、
将来のリスクに備える“お金の保険” としての役割を果たします。
大切なのは「大きく稼ぐ」ことよりも、
「細くても継続する収入の柱を持つ」こと。
それが、予測できない時代を生き抜くうえで、
最も安心できる保険なのかもしれません。