【お金の学び】子どもにお年玉でインデックス投資をさせてみたら…?

2025年8月18日

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芹沢慎一

こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。

今日は私自身の家庭でのちょっとした実験を紹介しましょう。

「貯金するだけじゃつまらない」

お正月。
親戚からいただいたお年玉を手にした息子(当時小学生)は、いつものように貯金箱に入れました。
ところがその時、彼がポツリとつぶやいたんです。

「でも、入れても増えないんだよね。なんかつまんない」

確かにその通りです。
利息がほとんどつかない今の時代、子どもでも「増えない」ことに気づいています。
そこで私は思い切って提案しました。

「じゃあ、お年玉の一部を投資に回してみるか?」

お年玉で“世界に出資”

証券口座は親の管理下ですが、銘柄選びは息子と一緒に行いました。
選んだのは「全世界株式インデックスファンド」。

理由はシンプルで、説明しやすかったからです。

「このファンドを買うってことは、アメリカやヨーロッパ、アジアの会社にちょっとずつ出資するってことだよ」

息子の目が少しキラリと輝いたのを覚えています。
「へぇ、じゃあアップルとか任天堂にも入ってる?」
そんなやりとりが、親子の会話をいつもより楽しいものにしてくれました。

値動きを“ゲーム感覚”で楽しむ

投資を始めてからというもの、息子はときどきスマホの画面を覗いてはこう言います。

  • 「あ、増えてる!」
  • 「今日は減った…でもまた戻るかな」

額は数千円レベル。
でも彼にとっては十分に“経済が動いている”実感になったようです。

「お金が働く」ってこういうことなんだ、と体験で理解できたのは大きな収穫でした。

親の心まで変わった

正直に言うと、この実験で一番学びがあったのは私自身かもしれません。

  • 子どもは「結果よりもプロセス」を楽しむ
  • 値動きに一喜一憂しながらも、自然と“長期の視点”を学ぶ
  • 親子でお金の話ができる環境が、なにより貴重

「投資は将来のために我慢して続けるもの」という大人の固定観念とは違い、
子どもはもっと素直に「面白いから続けたい」と言っていました。

最後に

子どもにとって、お年玉はちょっとしたボーナスのような存在。
それを単なる消費や貯金で終わらせず、「世界に投資した経験」として残すことは、何よりの金融教育になると感じました。

もちろん、投資額はごく小さなものです。
でも、その小さな一歩が未来の大きな金融リテラシーにつながる。
そして親にとっても、子どもと一緒に学ぶきっかけになる。

「もしあなたのお子さんがお年玉をもらったら、その一部を“未来の自分”に預けさせてみますか?」

お金の教育は、机上の知識よりも“体験”が一番の先生です。