こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。
今日は私自身の家庭でのちょっとした実験を紹介しましょう。
「貯金するだけじゃつまらない」
お正月。
親戚からいただいたお年玉を手にした息子(当時小学生)は、いつものように貯金箱に入れました。
ところがその時、彼がポツリとつぶやいたんです。
「でも、入れても増えないんだよね。なんかつまんない」
確かにその通りです。
利息がほとんどつかない今の時代、子どもでも「増えない」ことに気づいています。
そこで私は思い切って提案しました。
「じゃあ、お年玉の一部を投資に回してみるか?」
お年玉で“世界に出資”
証券口座は親の管理下ですが、銘柄選びは息子と一緒に行いました。
選んだのは「全世界株式インデックスファンド」。
理由はシンプルで、説明しやすかったからです。
「このファンドを買うってことは、アメリカやヨーロッパ、アジアの会社にちょっとずつ出資するってことだよ」
息子の目が少しキラリと輝いたのを覚えています。
「へぇ、じゃあアップルとか任天堂にも入ってる?」
そんなやりとりが、親子の会話をいつもより楽しいものにしてくれました。
値動きを“ゲーム感覚”で楽しむ
投資を始めてからというもの、息子はときどきスマホの画面を覗いてはこう言います。
- 「あ、増えてる!」
- 「今日は減った…でもまた戻るかな」
額は数千円レベル。
でも彼にとっては十分に“経済が動いている”実感になったようです。
「お金が働く」ってこういうことなんだ、と体験で理解できたのは大きな収穫でした。
親の心まで変わった
正直に言うと、この実験で一番学びがあったのは私自身かもしれません。
- 子どもは「結果よりもプロセス」を楽しむ
- 値動きに一喜一憂しながらも、自然と“長期の視点”を学ぶ
- 親子でお金の話ができる環境が、なにより貴重
「投資は将来のために我慢して続けるもの」という大人の固定観念とは違い、
子どもはもっと素直に「面白いから続けたい」と言っていました。
最後に
子どもにとって、お年玉はちょっとしたボーナスのような存在。
それを単なる消費や貯金で終わらせず、「世界に投資した経験」として残すことは、何よりの金融教育になると感じました。
もちろん、投資額はごく小さなものです。
でも、その小さな一歩が未来の大きな金融リテラシーにつながる。
そして親にとっても、子どもと一緒に学ぶきっかけになる。
「もしあなたのお子さんがお年玉をもらったら、その一部を“未来の自分”に預けさせてみますか?」
お金の教育は、机上の知識よりも“体験”が一番の先生です。