【もったいない落とし穴】NISAの“買い忘れ”は家計にどれくらいの影響があるのか?

2025年8月18日

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芹沢慎一

こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。

今回は、実際の相談でもよく出てくるテーマを取り上げます。
それは——

「NISAを使おうと思っていたのに、うっかり買い忘れてしまった!」

この“ついうっかり”が家計にどれほど影響するのか、考えてみましょう。

「年末にまとめて買おう」と思っていたら…

NISA口座は、1年ごとに非課税投資枠が設定されています。
ところが——

  • 忙しくて買い付け手続きを後回しにしていた
  • 「ボーナスでまとめて買えばいいや」と思っていたら機会を逃した
  • 気づいたら年末が過ぎていた

こんなケース、実は少なくありません。
その年の非課税枠は、翌年に繰り越せないため、使わなければ“消滅”してしまうのです。

買い忘れがもたらすインパクト

仮に、新しい「つみたて投資枠」や「成長投資枠」で年間40万円の積立を予定していたとしましょう。
年平均リターン5%で20年間運用すると、将来の資産は約132万円になります。

ところが、その40万円を買い忘れると——
20年後に132万円分の資産がそっくりなくなるということ。

「1年のミス」が、「将来の100万円超の差」につながるわけです。

“たかが1年”がズルズル続く

さらに怖いのは、単発の買い忘れが「まあいっか」と軽く流されること。
その結果

  • 翌年もまた同じことを繰り返す
  • せっかくの制度が「宝の持ち腐れ」になる

という悪循環に陥るケースです。
“たかが1年”が“気づけば数年”になり、将来の差はさらに拡大します。

自動化と仕組み化がカギ

NISAの買い忘れを防ぐ最もシンプルな方法は、自動積立を設定することです。

  • 毎月の給料日に自動で積立
  • ボーナス時に追加設定
  • 余裕資金があれば随時買い増し

「考えなくても投資できる」仕組みを作ることで、買い忘れリスクはゼロに近づきます。

最後に

NISAは、国が用意してくれた“お得な箱”のような制度です。
でも、その箱は使わなければ空っぽのまま終わってしまう

今日のテーマをひと言でまとめるなら、

「NISAの買い忘れは、未来の自分に対する一番もったいない裏切り」

とも言えるでしょう。

資産形成は難しい知識よりも、まず「忘れない仕組み」から。
ぜひ、あなたのNISAが“未来の笑顔”につながるよう、今日から一歩踏み出してみてください。

「あなたは今年のNISA枠、もう埋め始めていますか?」 まだなら、今日が一番早いスタートです。