こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。
今回は、実際の相談でもよく出てくるテーマを取り上げます。
それは——
「NISAを使おうと思っていたのに、うっかり買い忘れてしまった!」
この“ついうっかり”が家計にどれほど影響するのか、考えてみましょう。
「年末にまとめて買おう」と思っていたら…
NISA口座は、1年ごとに非課税投資枠が設定されています。
ところが——
- 忙しくて買い付け手続きを後回しにしていた
- 「ボーナスでまとめて買えばいいや」と思っていたら機会を逃した
- 気づいたら年末が過ぎていた
こんなケース、実は少なくありません。
その年の非課税枠は、翌年に繰り越せないため、使わなければ“消滅”してしまうのです。
買い忘れがもたらすインパクト
仮に、新しい「つみたて投資枠」や「成長投資枠」で年間40万円の積立を予定していたとしましょう。
年平均リターン5%で20年間運用すると、将来の資産は約132万円になります。
ところが、その40万円を買い忘れると——
20年後に132万円分の資産がそっくりなくなるということ。
「1年のミス」が、「将来の100万円超の差」につながるわけです。
“たかが1年”がズルズル続く
さらに怖いのは、単発の買い忘れが「まあいっか」と軽く流されること。
その結果
- 翌年もまた同じことを繰り返す
- せっかくの制度が「宝の持ち腐れ」になる
という悪循環に陥るケースです。
“たかが1年”が“気づけば数年”になり、将来の差はさらに拡大します。
自動化と仕組み化がカギ
NISAの買い忘れを防ぐ最もシンプルな方法は、自動積立を設定することです。
- 毎月の給料日に自動で積立
- ボーナス時に追加設定
- 余裕資金があれば随時買い増し
「考えなくても投資できる」仕組みを作ることで、買い忘れリスクはゼロに近づきます。
最後に
NISAは、国が用意してくれた“お得な箱”のような制度です。
でも、その箱は使わなければ空っぽのまま終わってしまう。
今日のテーマをひと言でまとめるなら、
「NISAの買い忘れは、未来の自分に対する一番もったいない裏切り」
とも言えるでしょう。
資産形成は難しい知識よりも、まず「忘れない仕組み」から。
ぜひ、あなたのNISAが“未来の笑顔”につながるよう、今日から一歩踏み出してみてください。
「あなたは今年のNISA枠、もう埋め始めていますか?」 まだなら、今日が一番早いスタートです。