こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。
今回は家計相談の現場で、必ず議論になるテーマ――「レジャー費」について。
旅行や外食、趣味や娯楽に使うお金をどう考えるか。
「節約すべき浪費」か「必要な投資」か、答えは一つではありません。
きっかけは「旅行好きのご夫婦」
ある30代のご夫婦。
家計簿を見ると、毎月のレジャー費が10万円以上。
週末の外食、月イチの家族旅行、年2回の海外旅行。
住宅ローンと教育費もあり、「さすがに多すぎでは?」と奥様から相談がありました。
ご主人の答えはシンプル。
「家族の思い出はお金に代えられないでしょ?」
なるほど、どちらの気持ちも分かります。
レジャー費の本質は「消費」でも「投資」でもある
私はこう説明しました。
- 浪費になるケース:見栄や衝動で支出し、翌月の家計を圧迫する
- 投資になるケース:家族の絆やリフレッシュにつながり、生活の質を高める
つまり、支出の「理由」と「後味」で評価が変わるのです。
導入した仕組み──「レジャー口座」
このご夫婦には、「レジャー専用口座」を提案しました。
- 毎月3万円を自動積立
- 旅行・外食・趣味はすべてこの口座から
- 余った分は翌月に繰り越し
結果、以前のように“気づけば10万円超え”がなくなり、計画的に楽しめるように。
「レジャーを我慢する」のではなく、「安心して楽しむ」に変わったのです。
家族の反応──「罪悪感が消えた」
半年後、奥様が言いました。
「前は旅行に行くたびに“また使いすぎたかな”って不安だったんです。
でも今は“この範囲なら大丈夫”って思えるので、心から楽しめます」
そう、レジャー費は心の健康への投資。
ただし、その投資額は「家計全体のバランス」によって変わるのです。
最後に
レジャー費は「ゼロにすべき浪費」でも「無限に使える投資」でもありません。
“楽しむためのルール”をつくることが、最大の節約術です。
それではまた。小さな工夫が、大きな安心につながることを願って。