【保険は守り?それとも重荷?】“安心料”のはずが家計を圧迫する時

2025年8月16日

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芹沢慎一

こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。

今回は、多くの家庭で“毎月の固定費”として存在感を放つ「保険料」について。
「家族の安心のために」と契約したはずが、いつの間にか“家計の重荷”になっていることはないでしょうか?

きっかけは「保険証券の山」

ある40代ご夫婦の相談。
家計簿を見せてもらうと、毎月の保険料が7万円
内訳を確認すると、

  • 夫の生命保険が3本
  • 医療保険が夫婦で各2本ずつ
  • 子ども向け学資保険に加え、外貨建ての積立保険まで

「どれも勧められるままに入ったので、内容はよく分からない」とのこと。
はい、典型的な“保険証券コレクター”状態です。

保険の本質は「リスク移転」

本来、保険は“自分では背負いきれないリスク”をお金で移転する仕組みです。
例えば、

  • 家族の生活を守るための死亡保障
  • 高額医療費への備え
    これらは「入らないと危険」。

一方で、

  • 数万円で済む通院費をカバーする保険
  • 投資もどきの積立保険
    これらは「必要性が低いか、他の方法で代替可能」。

つまり「すべて必要」ではなく「必要な部分だけ守る」が正解です。

導入した仕組み──「三つの仕分け」

私は相談を受けた家庭にこうアドバイスしました。

  1. 残す保険:死亡保障・高額医療保障
  2. 見直す保険:学資・積立系(資産形成は投資信託など他手段へ)
  3. 解約する保険:小口の医療保障や“重複商品”

結果、毎月の保険料は7万円→3万円に。
差額の4万円は、教育費や老後資金に回すことができました。

家族の反応──「安心は減らず、重荷だけが減った」

解約を決めた時、ご夫婦が言った言葉が印象的でした。
「守りはそのままなのに、肩の荷が下りた感じです」

そう、保険は安心を得る手段であって、安心を奪う重荷になってはいけません。

最後に

保険は「入れば入るほど安心」ではなく、
「必要なだけ入るのが一番安心」です。

証券の束を開いて、
「これは誰のための、どんなリスクに備える保険か」
一枚ずつ声に出して確認するだけでも、重荷はぐっと軽くなります。

それではまた。今日の学びが、明日の安心を支える糧となりますように。