こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。
今回は、多くの家庭で“毎月の固定費”として存在感を放つ「保険料」について。
「家族の安心のために」と契約したはずが、いつの間にか“家計の重荷”になっていることはないでしょうか?
きっかけは「保険証券の山」
ある40代ご夫婦の相談。
家計簿を見せてもらうと、毎月の保険料が7万円。
内訳を確認すると、
- 夫の生命保険が3本
- 医療保険が夫婦で各2本ずつ
- 子ども向け学資保険に加え、外貨建ての積立保険まで
「どれも勧められるままに入ったので、内容はよく分からない」とのこと。
はい、典型的な“保険証券コレクター”状態です。
保険の本質は「リスク移転」
本来、保険は“自分では背負いきれないリスク”をお金で移転する仕組みです。
例えば、
- 家族の生活を守るための死亡保障
- 高額医療費への備え
これらは「入らないと危険」。
一方で、
- 数万円で済む通院費をカバーする保険
- 投資もどきの積立保険
これらは「必要性が低いか、他の方法で代替可能」。
つまり「すべて必要」ではなく「必要な部分だけ守る」が正解です。
導入した仕組み──「三つの仕分け」
私は相談を受けた家庭にこうアドバイスしました。
- 残す保険:死亡保障・高額医療保障
- 見直す保険:学資・積立系(資産形成は投資信託など他手段へ)
- 解約する保険:小口の医療保障や“重複商品”
結果、毎月の保険料は7万円→3万円に。
差額の4万円は、教育費や老後資金に回すことができました。
家族の反応──「安心は減らず、重荷だけが減った」
解約を決めた時、ご夫婦が言った言葉が印象的でした。
「守りはそのままなのに、肩の荷が下りた感じです」
そう、保険は安心を得る手段であって、安心を奪う重荷になってはいけません。
最後に
保険は「入れば入るほど安心」ではなく、
「必要なだけ入るのが一番安心」です。
証券の束を開いて、
「これは誰のための、どんなリスクに備える保険か」
一枚ずつ声に出して確認するだけでも、重荷はぐっと軽くなります。
それではまた。今日の学びが、明日の安心を支える糧となりますように。