こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。
今回のテーマは、家計の相談で必ず出てくる「特別費」。
旅行、家電の買い替え、子どもの進学、冠婚葬祭──毎年のようにやって来るのに、なぜか“突然”の出来事のように家計を直撃します。
きっかけは「毎年、ボーナスが消える」家庭
ある40代のご夫婦からの相談。
「ボーナスが出ても、毎回すぐに消えるんです」
詳しく聞くと、その消え先はいつも同じ。
・夏は家族旅行
・冬は家電の買い替え
・さらに親戚の冠婚葬祭でご祝儀や交通費
毎年ほぼ同じパターンなのに、準備していないから“赤字補填”に回されていたのです。
特別費は「予測できる固定費」
私はこうお伝えしました。
「特別費は突然ではなく、“予測できる固定費”です」
例えば、
- 冠婚葬祭は年に数回は必ずある
- 家電は平均寿命が決まっている(冷蔵庫は10〜12年、洗濯機は7〜8年)
- 子どもの進学は“サプライズ”ではなく“イベント予定”
つまり、起こるタイミングは多少ずれても、「必ず来るもの」なんです。
導入した仕組み──「特別費積立」
このご家庭に提案したのは、
毎月2万円を“特別費口座”に移すこと。
・旅行:年10万円
・家電積立:年5万円
・冠婚葬祭:年5万円
・その他(子ども関連など):年4万円
合計24万円をあらかじめ用意する仕組みに変えました。
家庭の反応──「今年はボーナスを残せた」
1年後、このご家庭からこんな報告が届きました。
「初めてボーナスが“そのまま残る”感覚を味わいました」
つまり、ボーナスが“プラスα”として機能するようになったのです。
最後に
特別費は「いつか来る」ではなく「必ず来る」。
予測できる出費に備えるだけで、家計はぐっと安定します。
それではまた次回。未来のお金は、今日の小さな一歩から。