こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。
今日は、「ボーナスが出るから大丈夫」という油断が、家計をどう揺らすのか――そしてそれをどう立て直したのか。
Bさん夫婦(40代・共働き)のケースをご紹介します。
“ボーナスで帳尻”が当たり前の家計
Bさん夫婦は、二人とも安定した会社勤め。
毎月の収支は赤字気味でしたが、年2回のボーナスで穴埋めするのが習慣になっていました。
「ボーナスは臨時収入じゃなくて、延命措置だったんです」
家具、旅行、子どもの塾代…気づけばボーナスは毎回、使う前から行き先が決まっている状態。
コロナ禍での“想定外”
そんな家計に、予想外の出来事が。
夫の会社の業績悪化で、ボーナスが半減。
「半年分の赤字が一気にのしかかってきた感じでした」
クレジットカードのリボ払いが膨らみ、毎月の返済額は10万円超。
生活費を削ってもしのげず、相談に来られたのがこの時期でした。
“ボーナスゼロでも回る家計”を作る
私がまずお願いしたのは、「ボーナスを全くないものとして家計を組み直す」こと。
Bさん夫婦は驚きましたが、やってみると意外な気づきが出てきました。
- 固定費を年間ベースで削減
・通信費→格安SIMへ変更で月1.2万円減
・保険見直し→掛け捨てに切り替えで月9千円減 - 毎月の貯蓄を“先取り”に変更
→ ボーナス時にまとめて貯めるのではなく、給与天引きで少額ずつ積み立て。 - 旅行・大型出費は12か月分割で積立
→ ボーナス時に払う前提をやめ、毎月予算を組む。
1年後の変化
再構築から1年後、Bさん家計はこう変わりました。
- ボーナスに手を付けなくても生活が回る
- リボ払いは完済
- ボーナスの8割を貯蓄に回せるようになった
「ボーナスの使い道を考えるのが、楽しみに変わりました」
この話の教訓
- ボーナスは“おまけ”と位置づける
生活費の必須要素にすると、減額時に一気に崩れる。 - 固定費は“年額”で見ると削減効果が見えやすい
月1万円削減=年間12万円の自由資金。 - 先取り貯蓄は最強の安全弁
残ったお金を貯める方式は、ほぼ残らない。
最後に
ボーナス頼みの家計は、一見安定しているようで、実は一本足で立っているようなものです。
もし減額や支給なしの事態が起きたとき、その脆さが一気に露呈します。
Bさん夫婦のように、「ボーナスゼロでも回る」設計に変えることは、未来の安心を買う行為です。
そして、その安心は何よりも高い利回りを生む投資と言えるでしょう。
では、次はもう少し深いマネー話を。
#慎一のマネー講座 でもお待ちしています。