こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。
今日は、教育ローンを組んだにもかかわらず、予定より5年も早く完済してしまったCさん(50代女性)のケースをご紹介します。
「借りたら最後まで返す」ではなく、「借りたらできるだけ早く返す」という発想が、人生にどんな変化をもたらしたのか――。
子どもの夢を応援するための決断
Cさんは地方都市で共働き。
高校生の長男が、東京の私立大学への進学を希望しました。
学費と生活費を合わせると、4年間で約900万円。
「貯金だけでは足りない…」
そう判断したCさん夫婦は、銀行の教育ローンで400万円を借入。
返済期間は15年、毎月の返済額は約3万円でした。
返済生活、でも気づいた「ある習慣」
ローン生活が始まり、毎月きちんと返してはいたCさん。
ある日、家計簿を見ながらこう思ったそうです。
「あれ、私たち、毎年ボーナスの一部を使わずに残してる…?」
実はこの“残している分”を有効活用できるのでは、と考えたCさんは、銀行に相談。
すると「繰上げ返済すれば、期間も利息も大幅に減らせますよ」との答え。
繰上げ返済で一気に加速
それからCさんは、毎年ボーナス時に20万〜30万円を繰上げ返済に充てる作戦をスタート。
さらに、家計の中で使っていなかった固定費(ケーブルテレビのオプションや不要な保険)も見直し、その分を返済に回しました。
その結果――15年の予定だったローンは、わずか10年で完済。
利息の節約額は、ざっと計算して50万円以上にもなりました。
「ローンが消えると心が軽くなる」
Cさんが印象的な言葉をくれました。
「借金って、金額よりも“返している時間”が心に重くのしかかるんですね。
返済がなくなった瞬間、空気が軽くなった気がしました。」
その後、Cさんは完済で浮いた月3万円を“将来の自分への前借り”ではなく、老後資金の積立に回し始めています。
この話のポイント
- 繰上げ返済は小額でも効果大
特に教育ローンや住宅ローンは、期間短縮型の繰上げで利息カット効果が高い。 - 「ボーナスの余り」や「固定費の削減分」を即返済に回す習慣
意識しないと消えてしまうお金を、有効打に変える。 - 返済は“期間”を減らす意識で
返済額より返済期間が精神的負担の大きな要因。
最後に
Cさんの話は、「借金=悪」という単純な話ではなく、“どう返すか”で未来が変わるという好例です。
もしあなたが今、ローン返済の真っ最中なら――
次のボーナスや臨時収入を、ほんの少しだけ“未来の完済日”に投げ入れてみてください。
その一手が、数年後のあなたを思わぬ早さで自由にしてくれます。
本日もお読みいただき、誠にありがとうございました。
#慎一のマネー講座 もどうぞご期待ください。