こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。
週末、私はよく近郊の山を歩きます。
本格的なアルプス登山ではなく、標高数百メートルの低山。
それでも、登山口を離れ、木々の間に入ると空気は一変します。
鳥の声と、自分の足音だけ。
時折、霧が尾根道をやわらかく包み込み、視界を奪っていきます。
そんなとき、私はいつも胸ポケットに入れた小さなライトをそっと触ります。
「これがあれば大丈夫だ」という感覚が、不思議と心を落ち着かせてくれるのです。
山と家計の共通点
山では、天気の急変や道迷いは珍しくありません。
そして家計もまた、予期せぬ“悪天候”に見舞われることがあります。
急な出費、収入の変動、病気や故障。
私が山歩きで学んだのは、「平穏なときこそ備える」という習慣です。
ライトも非常食も、使う日は来ないかもしれない。
でも持っているだけで、安心感は確実に増す。
これは、家計の“緊急予備費”や“保険”とまったく同じ役割です。
山での失敗と学び
数年前、一度だけライトを忘れて山に入り、下山が遅れて日が落ちたことがあります。
そのときの心細さといったら…。
足元は見えず、聞こえるのは獣の気配と自分の鼓動だけ。
結局、携帯の明かりを頼りに下りたのですが、
「備えがない」とはこういうことかと痛感しました。
家計でも同じです。
貯蓄ゼロの状態で予期せぬ支出が来たら、気持ちも生活も一気に暗くなる。
だからこそ、使わないかもしれない安心のために、備えておくのです。
山歩きがくれるもう一つの価値
山には目的地がありますが、実はそこにたどり着くまでの時間こそが贅沢です。
景色を眺め、風を感じ、季節の匂いを吸い込みながら歩く。
これはお金の使い方にも似ています。
目的だけでなく、その過程に価値を見いだすこと。
それが、日常の満足度をぐっと高めます。
最後に
山歩きは私に、
「備えが心を自由にする」ことと、
「過程を楽しむことの大切さ」を教えてくれました。
皆さんもぜひ、自分の暮らしの中で“ライト”を持つ感覚を見つけてみてください。
それは貯金かもしれないし、スキルかもしれない。
きっと、霧の中でも安心して歩ける力になります。
ここまで読んでくださった方に心からの感謝を。それでは!