【金融コンサル事例】 「南半球で学んだ、カード社会の落とし穴」

2025年8月14日

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芹沢慎一

こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。

今日は、私がオーストラリアで経験した「カード決済トラブル防止」のお話です。
日本でもキャッシュレス化が進んでいますが、オーストラリアはその先を行く“カード社会”。
現金を使わない日はザラで、コーヒー1杯でもカードで払うのが普通です。

きっかけは「請求額が倍」事件

現地に着いて間もない頃、日系の小売チェーンから相談を受けました。

「お客様から“請求額が倍になっている”と苦情が相次いで…」

話を聞くと、原因は意外なところに。
レジでカードを通した後、通信が遅延して決済が二重送信されていたのです。
オーストラリアの郊外店舗では、ネット回線が安定しない場所も多く、
これが重なって“倍額請求”という笑えないトラブルに発展していました。

カード社会の“見えないコスト”

カード決済は便利ですが、トラブルになると返金まで数日〜数週間かかることも珍しくありません。
しかも返金処理には手数料が発生する場合があり、店舗側の負担もバカになりません。
つまり「便利の裏に隠れたコスト」が存在するのです。

提案した3つの防止策

私は現地スタッフと一緒に、次の3つの対策を導入しました。

  1. 二重決済防止のPOS設定
    通信が復旧するまで自動再送しない設定に変更。
    失敗時は手動決済に切り替える運用ルールを徹底しました。
  2. お客様への即時レシート確認
    決済直後に「金額・取引番号・日付」を必ず確認してもらう案内を表示。
  3. 週次のカード決済照合システム
    POSとカード会社の明細を週単位で突合し、異常があれば即対応できる体制を構築。

成果は数字以上

導入から3カ月で二重決済件数はゼロに。
苦情も激減し、「日本式の細やかさはすごい」と現地スタッフからも信頼を得ました。
何より、トラブル対応に追われていた時間が営業や接客に回せるようになり、売上もじわりと伸びたのです。

最後に

カード社会はスピードと便利さが魅力ですが、その裏側には“見えないリスク”があります。
それを防ぐのは、高度なシステムよりも「確認と仕組みの習慣化」。

皆さんも海外旅行や出張の際には、
「レシートをその場でチェック」
「明細を週に1度は確認」
この2つを習慣にしてみてください。

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