こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。
今日は、私がサポートしたあるご家庭の「家計改善ストーリー」をご紹介します。
テーマはズバリ――“自分への与信管理”。
「なんとなく回ってるから大丈夫」…本当に?
相談に来られたのは40代のご夫婦。
共働きで世帯年収は安定、ボーナスも毎年出ています。
ただ、なぜか毎月の残高はほとんど増えない。
詳しくお話を聞くと――
・クレジットカードは家族合わせて6枚
・リボ残高は「確認してないけど多分少ない」
・“ご祝儀や旅行代はボーナスで払えばOK”という暗黙ルール
まさに「長年の慣れ」で回っている状態でした。
最初にやったこと──「お金の流れを見える化」
私はまず、過去1年間の家計データを丸ごと出していただきました。
固定費、変動費、カード利用明細、ボーナスの使い道――すべて並べて眺めると、意外な事実が。
- リボ払いの手数料だけで年間7万円
- ボーナスの8割が“過去の支払いの穴埋め”に消えている
- 「なんとなく大丈夫」は、実は“未来の収入の前借り”だった
数字と事実は、時に冷たく、しかし確実に現実を突きつけます。
導入した仕組み──「家計版・与信ルール」
ご夫婦には、次の3つを提案しました。
- カードは2枚に集約:予算と利用先を明確化
- 半年ごとの家計棚卸し:固定費・借入状況・貯蓄額を必ずチェック
- “未来支出”の前積み:旅行や冠婚葬祭は専用口座で事前積立
さらに、「臨時収入は半分貯蓄、半分お楽しみ」という“遊び心ルール”も導入。
お金の管理は、無理なく楽しく続けられることが大切です。
家庭の反応──「面倒くさい」から「安心」に
導入直後、ご主人は「こんなことまで記録するの?」と苦笑い。
しかし3か月後、リボ残高はゼロ、毎月の貯蓄額は2倍に。
奥さまはこう言いました。
「もう“次のボーナスまで我慢”っていう不安がなくなった。今は旅行計画も安心して立てられます」
最後に
家計の与信管理は、「節約して我慢する」ためではなく、
安心して未来を楽しむための安全装置です。
信頼は企業と同じく、家庭でも“確認と見直し”でこそ育まれます。
数字に向き合うのは時に勇気が要りますが、その先にあるのは“自由に使える未来のお金”です。
ではまた次回。 #慎一のマネー講座 でもお会いしましょう。