こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。
今日は、現場の金融コンサル事例から、とある地方メーカーさんの「与信管理改革」の裏話をお届けします。
堅いテーマですが、肩の力を抜いてお読みください。
依頼は突然に──「売上はあるのに資金繰りが苦しい」
ある日、長年付き合いのある経営者から一本の電話。
「慎一さん、ウチ売上は順調なんだけど、なぜかいつも資金繰りがカツカツで…」
聞けば、取引先からの入金が遅れがちで、手形や請求書の回収サイクルがバラバラ。
その間に仕入れや人件費は待ったなし。
いわゆる「黒字倒産予備軍」になりかけていたのです。
現場をのぞくと…与信チェックは“ほぼ感覚”
私は早速、現場の帳簿や取引データを拝見。
すると、与信審査の基準がほぼ「社長の長年の勘」。
「昔からの取引先だから大丈夫」という言葉が何度も出てきます。
…ええ、勘や信頼は大事です。でも、それだけでは金融の荒波は乗り越えられません。
台風の海に浮き輪ひとつで出るようなものですから。
改革の第一歩──「見える化」と「ルール化」
まず提案したのは、
- 取引先ごとの支払実績をスコア化
- 新規取引先には事前の信用調査を必須化
- 回収サイト(入金までの日数)を可視化して共有
エクセルで簡単に始められる「与信スコア表」を作成し、毎月の経営会議で確認する仕組みを導入しました。
これだけで、「あの取引先、最近支払いが遅れてるぞ」と早期に気づけるようになったのです。
変化は数字に現れる
導入から半年後、平均回収日数は5日短縮。
資金繰りの改善効果は想像以上で、「借入金に頼らなくても回せる月」が増えました。
社長からは「夜ぐっすり眠れるようになった」と嬉しい報告が。
最後に
与信管理は、大企業だけの話ではありません。
中小企業こそ、「お金を回す仕組み」を持つことで、売上と資金の両方を守れます。
今回のメーカーさんも、感覚頼りから数字とルールの経営へ舵を切ったことで、安定経営の道が開けました。
これからも私は、こうした現場の改善事例をお伝えしていきます。
そして、「お金の流れを制する者は、事業を制す」という信念のもと、皆さんの経営の一助になれればと思います。
#慎一のマネー講座 もぜひお願いします。
今日も、お読みいただきありがとうございました!