こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。
普段は全国のセミナー会場で「お金は道具、使い方次第」を繰り返し唱えている私ですが、今日はその中でも特に質問の多いテーマ——分割払いについて。
きっかけは、ある社会人1年目の男性
数か月前、とある講座で20代の男性がこんな相談をしてきました。
「新しいノートPCを買ったんですが、分割にしたら月々の負担が軽くて助かります」
「ただ…なんか最近、買い物が増えてきてて」
はい、これ、非常に危険なサインです。
分割払いは“財布の未来”を切り売りする
分割払いの魅力は、手元資金が少なくても高額商品が手に入ること。
月々の支払い額が少額になるため、心理的な負担も軽く感じます。
しかし、忘れてはいけないのは——
その小さな額は“未来の自分のお金”を前借りしているという事実。
1件ならまだしも、2件3件と重なると、未来の財布はどんどん小さくなります。
しかも、金利や手数料という“目に見えにくい出費”が静かに積み上がっていくんです。
芹沢流チェックリスト:「今」ではなく「合計」で見る
私は分割払いを検討する人に、必ずこの質問をします。
- 総額いくら払うことになる?(本体価格+金利・手数料)
- 支払いが終わるまで何か月?
- その間に他の出費予定は?(旅行、引っ越し、冠婚葬祭など)
これを紙に書き出すと、「あれ?結構払ってるな…」と気づく方が多いです。
月3,000円なら気軽でも、「3年で10万円超」と数字が出ると、財布の紐は急に固くなります。
分割払いがクセになる心理トリック
分割払いは、「痛みを分散させる」仕組みです。
買う瞬間に感じる「ドン」とした出費の痛みを、数十回に薄めてしまう。
この心理的仕掛けがクセになり、結果的に“計画性のない前借り”を繰り返すことになります。
しかも、分割での支払い中に新しい欲しい物が現れ、また分割…
まるで支払いが永遠に終わらない“回転ドア”状態に陥る人も少なくありません。
最後に
分割払いは悪者ではありません。
計画的に、そして必要な場面で使うなら有効な道具です。
ただし、「今の負担感」だけで判断せず、「未来の自分がどれだけ自由に動けるか」まで考えて決めること。
それが、分割払いと上手に付き合うための唯一のコツです。
では今回はこの辺で。 SNSにて #慎一のマネー講座 もよろしくお願いします!