こんにちは。
マネーリテラシー講師の芹沢慎一です。
普段は企業や自治体で「お金との賢い付き合い方」をお話ししていますが、今日はちょっと身近なテーマを。
先日、高校を卒業したばかりの娘の友人が、ふらりと我が家にやって来ましてね。
手には最新型スマホ、そして笑顔でひと言。
「芹沢さん、全部キャッシュレスにしたらめっちゃラクですよ!」
いやぁ、若い。
財布を持ち歩かないのが“普通”の世代になったんだなと、時代の流れを感じました。
事例:気づけば残高ゼロの大学生活
その友人、春から大学生になり、アルバイト代が入るとすぐチャージして使う生活。
コンビニもカフェも、サブスクも、全部アプリでポチッ。
レシートはほぼ見ず、アプリの残高だけを“なんとなく”見ている状態。
そしてある日、こう言うんです。
「今月、なんでこんなにお金なくなってるんだろう…?」
理由は簡単。
「支出の感覚がリアルマネーから切り離されていた」からです。
現金だと千円札が減るたびにちょっと心が痛むものですが、数字がスマホ画面で減るだけでは、その“痛み”が薄くなるんですね。
芹沢流ワンポイント:見える化の“ひと手間”をサボらない
そこで私が提案したのは、とてもアナログな方法。
「使った金額をその日のうちにメモすること」。
— え?アプリの履歴見ればいいじゃん?
そう思うかもしれません。
でも、自分の手で書く(あるいは入力する)という行為は、脳に“お金が出ていった”という実感を刻みます。
これは数字を眺めるだけでは得られない感覚です。
キャッシュレスの功と罪
誤解しないでいただきたいのですが、私はキャッシュレスを否定しているわけではありません。
むしろ安全性や利便性という点では大いに賛成です。
ただし、“便利すぎる”ことは時に“危険すぎる”にもなります。
たとえば、以下のような落とし穴には要注意です。
- 小額決済の積み重ね(1回300円でも、月20回で6,000円)
- サブスクの放置(使ってないのに毎月引き落とし)
- 「ポイント還元」の過信(ポイント欲しさに不要な買い物)
最後に
結局、お金の管理というのは「数字」ではなく「習慣」の話なんですよね。
キャッシュレスはツールにすぎません。
道具を上手く使うも、振り回されるも、持ち主次第。
娘の友人も、今では週に一度、自分の支出を振り返る“お金タイム”を作るようになったそうです。
「最初は面倒だったけど、これやると残高が減らなくなった!」と、少し誇らしげに話していました。
では今回はこの辺で。またお会いしましょう!